糖鎖

糖鎖

 糖鎖とは、体の組織を作っている細胞の1つ1つに、産毛のように伸びている鎖状に連なった物質の事です。1つの細胞に、500~10万個の糖鎖がついています。
 細胞が正常に機能するためには、それを構成する単糖類が大変重要なカギを握っています。自然界には200種類の糖質栄養素がありますが、そのうち糖鎖の構成に関わっているとして明らかになっているのは、わずか8種類です。この8種類の単糖類のことを「糖鎖栄養素」と言います。

 

糖鎖栄養素 供給源 はたらき
グルコース ほとんどの植物・穀類・きのこ類など 主にエネルギー原・免疫賦賦活作用
ガラクトース 乳製品・ツバメの巣など 免疫系に重要・がんの成長・転移阻害・腸内細菌の保持・カルシウム吸収の増加
マンノース アロエベラ(ユリ科)・サボテン・多くの植物・ツバメの巣など 免疫系に重要・マクロファージ活性化・細菌感染阻害・糖尿病治療・消炎作用
フコース 海藻類(フコダイン)・甘麻・キノコ類・ツバメの巣など 免疫系に重要・ガンの成長・転移抑制・気道感染症治療
キシロース 穀類や植物の皮・木材など 殺菌作用・病原体・アレルゲンの結合阻害
N-アセルグルコサミン ツバメの巣・カニなどの甲殻類・海藻・酵母など ガンの抑制・変形性関節症治療・ヒアルロン酸の素になる
N-アセルガラクトサミン ツバメの巣・牛乳・サメ軟骨・キノコ類など ガンの増殖・転移抑制
N-アセリツノイラミン酸 ツバメの巣・母乳など 脳の発育に作用・免疫系に関与・粘膜の粘土調節(細菌感染防止)

 

※通常の食事だけで糖鎖栄養素を補うのはとっても困難です。

 

糖鎖は、情報を交換するアンテナのような働きをしており、

 

細胞間のコミュニケーションを図る。
細胞の外の情報をキャッチし、細胞内へ伝達する

 

と言った重要な役割をしています。
更に、細菌やウイルスなどの異物の認識、ホルモンや酵素の認識などに深く関係しており、健康維持や生命維持などに極めて重要な役割を果たしています。
最近の研究で分かってきたことは、糖鎖に劣化や異常が起こると、様々な病気の原因になることです。

 

糖鎖の4つの働きと能力
細胞間コミュニケーションの働き

 約60兆個の細胞で構成されたカラダを維持していくための細胞間のコミュニケーション

外部のストレスから体を防御する働き

 ストレスなどが原因で神経細胞やホルモンバランスが崩れても糖鎖が正常に働いていると、すぐにバランスを取り戻して、正常な神経状態、健康体を維持できます。

自分と異物とを見分けるはたらき

 自分と異物とを見分ける能力は免疫に関わる能力です。

異常な細胞の認識
アレルギーに関係
細菌やウイルスの認識
ホルモンや酵素の識別

 

傷口をきれいに修復する自己再生と修復機能を促進する能力

正常な細胞の維持

 

その他の糖鎖が関わっている働きの一部
生命の誕生

1個の精子と1個の卵子が出会うとき、それぞれの糖鎖が触れ合うことによってお互いの情報を受け渡ししながら受精します。
糖鎖の機能が低下したり、正常に働いていないと不妊になりやすいと言われています。
例えば、人間の精子と犬の卵子が受精しないのは、この糖鎖の情報受け渡しが出来ないという事です。

 

血液型の判別方法

血液型の判別は、赤血球膜表面に存在する糖鎖の抗原反応を利用した判別法で知ることが出来ます。(ABO式血液型)
血液型は、糖鎖の異なる構成で成り立っている構造になっています。
また、「乳(血)飲み子」と言われるように、赤ちゃんが飲んでいる母乳は血液から出来ています。母乳は栄養と共に送られてくる全ての物に糖鎖は関係していますので、糖鎖を正常に保つことは重要なのです。

 

このように糖鎖は、生命の誕生から、成長、事故治癒力など、一生に大きく関わっています。

 

 

 糖鎖の研究は、日本が世界で大きくリードしており、まだまだ、生命において重要な働きをしていることがどんどん明らかになってきており、世界的にも注目されています。

 

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